全国から注文が入るようになった瀬戸の小さなネジのプレス加工業さんが成功した簡単なマーケティング戦略!ホームページやパンフレットを賢く活用!
瀬戸にある小さな町工場「前川製作所」さんは、地元を中心とした製造業の下請け会社でした。それが今では、日本全国から直接注文が入るようになり、英語版のホームページも作って海外進出を計画するまでになりました。それにはあることに気がつき、行動を起こし、ホームページやパンフレットなどを活用し成功につながったわけですが、実際に行ったこととしてはごく当たり前のことを粛々と進めただけなので全然難しいことではありません。誰にでもできることです。製造業の小さな町工場でも実際に直接ホームページに問い合わせが入るようになりました。
では、具体的に何をしたのかをご説明いたします。
まず社長の前川さんは下請け仕事から脱却するために新規営業をしようと考えました。色々と製造業の業界のしがらみはあったわけですが、そこは少しだけ勇気を出して動いたわけです。重要なのはここだけです。決めて動く。それだけです。動き出すと確実に変わっていきます。精神論的でマーケティングのお話とは違うんですが、やっぱり重要なことです。そして、動いたらあとは粛々と実務をしていくのです。
社長さんは最初に営業ツールを作りました。会社案内パンフレットです。直接営業に行ったり、送ったり、配ったりするためです。ただ、実は会社案内パンフレットを営業ツールとして使うことが重要ではなくてそのパンフレット制作の過程が重要なのです。パンフレットの内容を作るために会社の棚卸をすることになるのですが、商品やサービスの見直しですね。そこで自社の「売り」「強み」を発見できるわけです。この「売り」「強み」を見つけるためにはやはり客観的な視点を入れるのが一番早い。それとお客さんに聞くことです。
このパンフレット作りの際の自社の見直し作業はなかなかできるようでできないことです。こういう機会を自ら作らないと難しい。やはり動くことで機会を作り出すという効果が現れたということです。
何を見つけたのか。それは「六角穴加工」の「六角矢打ち」という技術です。業界の方でないと全然ピンとこないと思いますし、業界にいたとしてもかなりニッチなものなのですが、簡単に説明するとネジの頭に六角形の穴を開ける技術のことで、プレス機でガッチャンガッチャンと穴を開けていきます。矢を撃つように穴を開けるので「六角矢打ち」と呼ばれるそうです。この技術は別に新しいものでもなく、昔からプレス工場で行われてきたものなのですが、これができる工場が高齢化でかなり減ってきていて、発注先を探している企業が結構あるということに気がついたのです。
普通に昔からやってきていて、当たり前の業務として過ごしてきていたので気に留めていなかったのですが、同じ技術を持つ知り合いの会社が廃業して、そこが今までやっていた六角矢打ちの仕事が、やってくれるところがないということで回ってきたり、他にも六角穴加工を旋盤などの他の技術でやっているところはあっても、それに比べて六角矢打ちは低コストなので、見積もりを出すと喜ばれたり、そういったことが少しずつ重なって、これは結構需要があるんじゃないかと考えたのでした。.......